キューブドラフトってなんぞや
MTGが発祥の、カードゲームにおける遊び方の一つです。
まず「キューブ」と呼ばれるカードの束を用意し、ランダムに10枚ずつに分けて「パック」を作成します。
プレイヤーは、その「パック」から一番自分が気に入ったカード(強そう・かっこいい・面白い…などなど)を1枚選び、次の人に渡します。これを「パック」のカードが無くなるまで繰り返し、最終的に全ての「キューブ」のカードを各プレイヤーに行き渡らせ、デッキを作成し対戦を行う遊び方です。
最大の魅力として普段使わないようなカードやレギュレーションを超えたデッキ(ADV+現スタンダードなど)を使える点にあります。また、毎回同じデッキになることもなく、1度キューブを作成してしまえば繰り返し遊ぶことができることも特徴と言えるでしょう。
ポケモンカードにおけるキューブドラフト
まず初めに、ポケモンカードには他TCGと比べて非常に難しいシステムがあります。それが「進化」です。進化ポケモンは性質上たねポケモン+1進化ポケモン+2進化ポケモンを全て揃える必要があり、加えてデッキとして成立させるためにはそれぞれ複数枚持っておきたいです。この進化ラインをきっちり取れるようある程度ラインを厚めにキューブに入れることが大事になってきます。
また、弱点も考慮する必要があるでしょう。例えばキューブのポケモンのタイプを草・水・電気・闘・鋼にした場合、鋼タイプが事実上の弱点無しのタイプとなってしまいます。こういったタイプ間の弱点関係を意識しましょう。
キューブの組み方
まずはコンセプトを明確にすると良いでしょう。カジュアルに遊ぶためのキューブなのか、ガチ対戦を楽しむキューブなのかと言ったコンセプトを決めておくと、カード選択が楽になります。
次に決めるのはキューブに入れるタイプの数です。1タイプだけだと面白くないですし、9タイプ入れると多すぎてそもそもキューブの枠に収まるか怪しくなってきます。個人的には3〜6くらいがちょうどいいです。
キューブの総枚数も重要な要素です。シールド戦を参考に、1人70〜90枚くらい取れるのが理想的でしょう。あとはこれをプレイヤー数で掛けてあげて枚数が算出できます。少なすぎるとデッキの選択肢が極端に狭くなってしまいますし、枚数が多いとピックに時間がかかったり使われないカードが多すぎて悲しい気持ちになります。
既存のルールに囚われない遊び方
キューブドラフトは「公式フォーマットではない」という点も魅力です。極端な話、キューブ独自のルールを作ってもいいわけです。例えば、
・ポケモンをそのタイプの基本エネルギーとして張れる
・全てのポケモンはその次の進化ポケモンに進化できる(ヒトモシ→マグカルゴ→リザードン)
・ポケモン☆・エーススペック・かがやくポケモンは何枚でも入れて良い
・同じポケモンを5枚以上入れても良い
などのオリジナルルールを作って遊ぶのも良いでしょう。特に2番目はカードが揃わなかったり「このカード入れたいけど他の種類にロクなカードがないよ!」って時に使えます。
カードの集め方
キューブを組む上で1番の障壁はこれでしょう。スタンダードのカードだけでキューブを組むならまだしも、エクストラや殿堂、ましてやADV以前のカードになると入手だけで大変です。また、下手なレアカードより適当なコモンカードの方が集まらなかったりします…
自分がカードを集める手段として用いた一例を紹介します。
楽天で探す
これ、意外と有能です。楽天でポケモン名 カードとかで検索すると結構古めの対戦ではあまり使われないカードも出てきたりするので重宝しています。ちなみに自分はADVキラサマヨールやEBBエルレイドなどを買いました。ありがたや…
駿河屋(実店舗)
駿河屋が近くにあるならこれもおすすめ。そもそもとして駿河屋は旧裏〜ADVPCGの取り扱いがかなり強く、またよくわからんコモンカードなどもストレージに転がっていたりします。また、タブレット検索も優秀で検索に引っかかればストレージを漁る必要すらありません(店員さんありがとう)。少々お値段は張る印象ですがどうしても見つからないカードがある時は利用してみましょう。
ホビーステーション
ホビステも個人的にはエクストラ殿堂がかなり強めの印象。特に名古屋や大須は強いです。ストレージを漁ってるだけでも面白いカードが出てきたりするので一見の価値あり。ちなみにポイントも一応付くのでそういった点でもお勧めだったりする。
ドラフトリスト公開(2022年9月時点)
想定は4人用キューブドラフト(1人90枚×4人)です。
基本エネルギーに関してはピック後に外部から自由に追加します。
また、配布カードとして「ホップ・ポケモンいれかえ・ふしぎなアメ」を配り、デッキに入れることができるようになっています。
コンセプトとしては進化ポケモンで戦って欲しい、歴代の強力カードを体感して欲しいというコンセプトで、比較的カジュアルなプレイを想定しています。
タイプは草・炎・水・超・闘・悪の6種類で、これは前半3つと後半3つで綺麗に弱点関係が回るようになっています。
草タイプ
ジュカインは強力なカードが多く、かなりおすすめです。「たいようのうた」のジュプトルで草ポケモンをサーチできる点もポイント。
スピアーは比較的軽いエネルギーで攻撃することができ、他のタイプと組み合わせても面白いでしょう。下のビードル・コクーンも展開用の技を持っているカードが多いため安定するでしょう。
メガヤンマはにげるエネルギーが0だったり色拘束がかなりゆるゆるなので使いやすいです。
炎タイプ
リザードンはみんな大好きなので入れてるところがあります。エネ拘束が重いですが0エネからいきなり130打点を出したり下の「いかり」「しかえし」などで低コスト高火力の技が使えたりするので意外と戦えます。そもそも炎タイプがエネ加速強いってのもありますが…
ゴウカザルは試験的に入れてみましたが、ちょっとエネトラッシュ系の効果が厳しそうです。鍛冶屋やマグマの滝壺などでフォローすることも大事でしょう。この枠は「たきつける」を持ったバシャーモに変えるのもおすすめです。
キュウコンはBREAKや「あぶりだす」のポケパワーを持ったカードもあるので器用です。下のロコンがデルタ種になっていますが、地味にミステリートレジャーで回収できるようになるので良かったりする。
水タイプ
カメックスは言うまでもなく強いカードが多いです。ワザの火力がやや出しづらいものが多いですが、エネ加速だけでお釣りが返ってくるでしょう。
ラグラージはしっかりラインを揃えれば「ダイビングサーチ」+「パワードロー」、
「αグロウ」+「おしながす」などのコンボが組めます。「マディメーカー」がややオーバースペック気味ですが、1エネしか加速できないのとベンチダメージで耐えてるところがあります。
ミロカロスは面白い性能のカードが多いです。ヒンバスもHPに対して意外と良い性能が多かったり、地味にブライトヒールが強力だと思います。
超タイプ
サーナイトはエルレイドに分岐進化もできますし強力なカードが多いのでドラフト向きのポケモンです。特に「テレパス」のポケパワーが強力で、これが立つだけでかなり安定して戦うことができます。
ヨノワールも結構面白いカードが多く、またデザインも好きなので採用しています。エネルギーが重たいのが難点なので、そこは次元の谷や他のエネ加速手段で補ってあげましょう。ちなみにサマヨールが2枚光ってるのが個人的におしゃれポイント。
ニャオニクスは試験導入しましたが、個人的には「みみであやつる」を入れたいです(持ってない)。というか超の1進化って結構キューブ的に難し目なカードが多いんですよね…ここは課題になりそう。
ゼルネアスは混色デッキにするのなら最強のエネ加速札です。
闘タイプ
闘タイプは全体的にエネ加速手段が乏しく、たねポケモンやトレーナーズなどでフォローしてあげるのが大事になります。
エルレイドはエネコスパ良く動けるカードが多いことや、サーナイトと進化元を共有できるのでエルサナとして組むだけでも十分強力なデッキになります。
カイリキーは「おとす」が1エネで相手がたねポケモンなら強制きぜつさせることができることに加え普通に殴っても強いのでピックすると強いです。
ルカリオは種類が非常に多いので、キューブに合わせていろいろ入れてみましょう。ポケボディー「ラジャー」のルカリオはプロモではありますが入れておくと盛り上がるのでおすすめ。
悪タイプ
サザンドラは悪タイプのエネルギー加速札として優秀です。ダークトランスもあるので、まんたんのくすりやダークライ♢などとも相性が良いでしょう。進化前がドラゴンタイプなので、ミステリートレジャーのバリューも上がります。
バンギラスは重量級ですが、無色エネが多いので他タイプのエネルギー加速と一緒に混ぜたりすると扱いやすくなります。また、起動さえできれば高火力高耐久で相手を殲滅することも可能です。
ゾロアークは強力なカードが多く、枚数も多いのでこれだけでメインの進化ラインを一つ作れるくらい良い種族です。「げんえいへんげ」を生かすために1進化のバリューを上げてもいいと思います。
イーブイズはなるべく相手のメタになるようなカードを入れるようにしました。サンダースの枠が弱めなので他のカードに変えてもいいかもしれません。
ピジョットは「マッハサーチ」が最強です。1-1-1で揃えるだけでも十分強力。
汎用たねポケモンはデッキの回転をサポートするカードを中心に入れています。「セットアップ」のユクシーは即ピックしましょう。(ホロンのポワルンが欲しい…)
グッズ 54枚
デッキとしてちゃんと回って欲しいので、ポケモンのサーチカードは14枚ほど入れています。大体1人3枚くらいはピックできる計算です。ボールと付くグッズをいっぱい入れるとボールガイのバリューが増えるのでおすすめです。
ワザマシンの「エヴォリューター」はポケモンのどうぐとは別扱いなので両方つけられます。ルールミスに注意。
ポケモンぎゃくしめいは旧裏のカードですが、にげるが軽いポケモンやポケモンいれかえ・とりつかいなどと組み合わせると真価を発揮してくれます。
サポート 54枚
ドローとその他のカードをそれぞれ27枚ずつ入れています。アララギパパ・ダンペイ・カツラのクイズショーはユニークなカードなのでぜひ入れてみましょう。
また、Nやツツジ、エリートトレーナーなど不利な状況で効果を発揮するカードを多めに入れました。このゲームは基本的にサイドが1枚ずつでしか進まないので、サイドレースをひっくり返せる可能性があるカードを意識して入れています。
博士の研究(オーキド博士)はめちゃくちゃ安いのでSRにしておくとテンションが上がります。
特殊エネルギー 13枚
スタジアム 14枚
特殊エネルギーと特殊エネルギーは各タイプサポートと汎用的なカードをそれぞれ入れています。
特殊エネルギーは特にレインボー系のカードを多く入れ、混色デッキを組めるよう意識しています。超ブーストエネルギーは結構難しそうです…
スタジアムは破れた時空が最強です。相手に使われないようにだけ気をつけましょう。
最後に
キューブドラフトは大人数で遊ぶ娯楽としてマジでめちゃくちゃ楽しいです。
また、作成者側になると他のプレイヤーが最初のピックで「これ強っ!」と反応してたりするのを見てニヤニヤする楽しみもあったり、人を集めるだけで遊べるようになります。お金もかかりますしカードプールの把握も大変でしょうがぜひトライしてみてください。それでは。